【REBELS.68】津崎善郎インタビュー公開!
インタビュー
公開日:2020/11/30
「僕もヒジ打ちを狙う。彼にとってはデジャヴのような試合になるでしょう」
――津崎選手は現在35歳でキャリア14戦ですが、キックを始めたのが遅かったのでしょうか?
津崎 格闘技自体は20歳の頃にK-1、PRIDEが流行っていたので地元の体育館を借りて格闘技好きな友達を集めてやっていました。海上自衛官になり、22歳から25歳までは地上勤務になったことで下関の誠友塾に通い始めキックのアマチュア大会に出るようになりました。本格的にやろうと思って27歳の時に退職し、海外で格闘技をやりたかったのでワーキングホリデーのビザで2年間オーストラリアに行っていたとき、現地のジムに通ってプロデビューしました。
――意外な経歴をお持ちなんですね。
津崎 そうですね(笑)。オーストラリアのキックボクサーといえば、K-1に出ていたジョン・ウェイン・パーが有名だと思いますが、パーのジムの選手とクイーンズランドのスーパーウェルター級タイトルマッチをやらせてもらったこともありました。オーストラリアでは4戦1勝3敗の戦績でしたけど、2度もタイトルマッチをやって、どの選手も強かったし、僕に勝っている選手はみんな今はトップ選手になっています。
それから帰国して30歳の時に、職場が近かったLAILAPS東京北星ジムに通い始めました。ここからややかしいキャリアがまだあるのですが(苦笑)、LAILAPSには1年間いて、それからカナダに1年間滞在しています。僕はバックパッカーをやっていたので南米を周ったりもして33歳の時に帰国してLAILAPSにまた所属しました。
――バックパッカーの時は観光目的で?
津崎 僕は自称“格闘家のバックパッカー”なので、周っている最中にジムがあれば練習させてもらいます。ブラジルではみんなガチンコスパーを仕掛けてくるので、アンドレ・ジダのジムではUFCのカルロス・ネトBJJ選手(UFC世界フェザー級ランキング6位)や、RIZINに出ているルイス・グスタボ選手とやってボコボコにされました。あと、PRIDEで活躍していたマウリシオ・ショーグンのジムやシュート・ボクセアカデミーに行って、キューバではボクシングジムでも練習しました。カナダでは120kgの選手とやったりと僕は色んな経験をさせてもらったので、今回の渡慶次選手に怖さはありません。
――現在、練習で強化していることはありますか。
津崎 渡慶次選手はサウスポーの選手なのでサウスポー対策をしっかりしています。
――渡慶次選手についてはどのような印象がありますか?
津崎 競技が違えどラウェイの世界王者であるだけに打たれ強く、攻撃力も凄くあるのでそこは気を付けないといけないなと。ミャンマーに学校を作っているので素晴らしい人格の方だと思いますが、キックに関してだと、彼はキック3戦目で僕の方がキャリアはあるので負けてはいられません。
11月の『REBELS』で小原俊之選手のヒジ打ちによるカットでTKO負けしていますよね。僕と渡慶次選手は対格差があるので、中に入ってきたところを僕もヒジ打ちを狙おうと思います。彼にとってはデジャヴのような試合になるでしょう。ラジャダムナンスタジアムの現役チャンピオンの石毛慎也会長からヒジ打ちを習っているので自信もあります。
――来年の目標はありますか?
津崎 僕は来月に36歳になるので現役生活は長くはないと思っています。昨年10月の「REBELS-MUAYTHAI スーパーウェルター級王座決定戦」で吉田英司選手に負けてしまっているので、もう一度タイトル奪取を目標にやっていきたいと思います。
――石毛会長は40歳でラジャダムナンのタイトルを獲得していますが、ご自身は狙ったりは?
津崎 今はもう『REBELS』のタイトルだけを狙っています。前回のタイトルマッチは、自分でいうのもなんですが(苦笑)5Rに渡る死闘で燃え尽きた感はありましたが、時間が経つにつれて悔しさがこみ上げてきて、やっぱりあのタイトルは欲しいなと。僕は日本デビュー戦も『REBELS』で、ずっと『REBELS』にお世話になっています。もしチャンスが来たら次こそはベルトを獲るので、そのためにも今回の試合は落とせません。
プロフィール
津崎善郎(つざき・よしろう)
所 属:LAILAPS東京北星ジム
生年月日:1984年12月19日
出 身:長崎県対馬市
戦 績:14戦5勝(2KO)7敗2分
【REBELS.68】響波インタビュー公開!
インタビュー
公開日:2020/11/30
「工藤戦は練習しないで勝てた。今回は練習してきたのでさらに自信を付けた」
――2月大会からREBELS-RED 53.5kg級王座決定リーグ戦が開幕し、響波選手は工藤“red”玲央選手からダウンを奪って判定勝ちしました。まずは前戦から振り返ってもらいたいと思います。
響波 もう終わったことなので言えるのですが……練習中に肺気胸(何らかの原因によって肺から空気が漏れて、肺がしぼんでしまう病気)になってしまい入院していたのですが、試合の10日前の完治してない時に「試合があるから」と医者に言って無理やり退院して、全く練習をせず減量だけして臨んだ試合だったんです。2、3Rはスタミナが切れて全然動けなかったのですが、今回はもうバッチリです(笑)。
――えええ! 欠場は考えなかったんですか?
響波 決まっていた試合だったので穴は空けられないですし、相手の戦い方を研究して攻略法が見つかったのでイケるかなと(笑)。試合中に動けなくなったら、それはそれでしょうがないかなと思いました。
――そんな大変な状況でも勝つなんて。
響波 自分の肺の方が心配だったのでとりあえず終わって良かったです(笑)。試合後、肺は悪化することなく、試合のケガも全くなかったですが、医者からは怒られました(笑)。ちなみに家族からは「そんなの大丈夫でしょ」と特に止められることもなく試合に出させられました(笑)。
――そんな厳しい家庭なんですね。家ではそういうふうに厳しく育てられたんですか?
響波 そうですね。父は日本空手道 如水會館千葉支部の支部長でして、6男1女の7人兄弟で自分は末っ子なのでみんなからボコボコにされて育ってきました(笑)。長男は空手の指導者で、次男が遊笑(現在MA日本キックとJ-NETWORKでヘビー級1位)、『REBELS.69』に出る耀織は三男で、姉はもう就職して空手はやっていませんが他の兄弟も空手をやっている格闘技一家なんです(笑)。
――響波選手が兄弟よりも優っている部分はありますか?
響波 姉が一番格闘技の素質があると思うのですが、僕のそういう部分はちょっとわかりません(笑)。
――耀織選手は12月6日の対戦カード発表記者会見で「コロナの自粛期間は遊んでばっかりでした。来週から頑張ります」とあまり練習していないようなことを言われていましたが、実際そうなんですか? ご自身は耀織選手とは違って練習するタイプですか?
響波 本当に兄は練習していないかもしれません(笑)。僕は決まった量の練習をやってそれ以上のことはやりません。自信があるわけではないのですが、対戦相手の動画を見たりすることもないのでいつも家族から怒られます。
──ファイトスタイルについて、ご自身はどういうファイターだと認識していますか?
響波 自分はリーチが長いのでリーチを活かした前蹴り、顔面ヒザ蹴りを得意にしています。
――次の相手、安達浩平選手の試合映像も見ていませんか?
響波 2月の前田伊織戦は実際に見ていて、パンチが巧い選手なのかなと。逆を言えばそれ以外に良いところがなかったので、スピードで勝負できると思います。戦い方を見てそこまで研究することもなく自分で試合をイメージして練習してきました。勝つ自信しかなく負けはないなと思います。
――『REBELS-RED 53.5kg級王座決定リーグ戦』になりますが、タイトルに対する想いはありますか?
響波 工藤選手には練習しないで後半のラウンドでバテながらも勝てているので、今回はもっとちゃんとフルラウンド動けるように練習してきたことでさらに自信も付いたし、ベルトを獲る気持ちでいます。
――ベルト獲得後のプランは考えてます?
響波 まずはベルトを獲ることだけに集中したいと思います。
――では最後にファンにメッセージをお願いします。
響波 僕は7勝4KOとまだKO勝ちが少ないですが、これから良いところを見せるので、たくさんの人たちにファンになって欲しいと思います。
プロフィール
響波(きょうは)
所 属:Y’s glow
生年月日:2000年12月11日
出 身:千葉県茂原市
戦 績:12戦7勝(4KO)5敗
【REBELS.68】安達浩平インタビュー公開!
インタビュー
公開日:2020/11/30
「ローで相手の心をへし折って、もう立ち上がれない状態にしたい」
――試合が近づいてますが、調整はいかがでしょうか。
安達 追い込み練習も終わってあとは体調を整えるだけなのでバッチリです。練習では得意のローキックだけでなく、パンチからのローのコンビネーションを強化してきました。
――3分3R制だとなかなかローを効かせるのも難しいと思うのですが、どう思いますか?
安達 そうですね。倒せるまではいけないと思うので、効かせた上で別な技も狙っていきます。もしローでいけるのであれば、相手の心をへし折ってもう立ち上がれない状態にしたいです。
――相手の響波選手にはどういう印象がありますか?
安達 でかくて(響波の身長は178㎝)、手足が長いなと。2月の工藤“red”玲央戦の動画を見たところ、左の飛びヒザが得意なのかなと思ったのでそこを警戒しています。僕は前回2月のリーグ戦の初戦(前田伊織戦)では判定勝ちでしたが結構手が出なかったので、今回は違う姿を見せられたらと思います。
――毎回、作戦はteam AKATSUKIの代表を務める良太郎選手が考えられるのですか?
安達 それもそうですし、1R終わってインターバル中に代表からアドバイスをいただき、その指示通りにいくと自分のペースに持っていけることが多いので代表の力は大きいと思います。今回、対戦相手と代表の背丈が同じぐらいだったので対策もできています。
――良太郎選手は“千の職質を受けた男”のニックネームが付けられるなど、昔はワルだったイメージがありますが、安達選手もそうだったり?
安達 いえ、僕はワルではありません(笑)。普段プログラマーの仕事をやっていて真面目な人間なのでキックをやっていなかったら絶対に交わらないタイプの方かなと。電車で一緒だったら絶対に目を合わせられません。僕は22歳から藤ジム千葉県支部にいて、当時は良太郎代表がそこでトレーナーをされていました。その後、team AKATSUKIを立ち上げられたので僕も付いていきました。ちなみにアマチュアで30戦ぐらいして28歳の時にプロデビューしました。
――デビューするまでに時間がかかかったんですね。
安達 そうですね。team AKATSUKIで練習するようになってから「出ろ!」というプレッシャーが凄くて(苦笑)、一回プロのリングに出てもいいかなと思って出たら負けて4連敗したんです。もう勝つまで辞められないと思って5戦目で勝ちました。そこで勝ったことで味を味を占めてしまい、トントン拍子で勝っていって、J-NETWORKでは新人王、バンタム級チャンピオンになることができました。
――『REBELS』のSNSでは“練習量の安達”として紹介されてましたが、練習量が凄いのですか?
安達 量より質を高める練習をしていて本気で動いているのは30~40分になります。アマチュアの時は練習が好きではなくキックに対して情熱がなく負けまくってプロになってからも練習しないまま連敗したのですが、『これじゃいけない』と思って練習するようになって勝てるようになりました。
――意外にも練習時間は短いんですね。
安達 そうですね。ジムにいる時間も90分ぐらいと短いんです。練習内容としては、酸素マスクを付けた状態でひたすら代表の持つミットに打ち込むものになります。めちゃくちゃ辛いのでそんな短時間でも毎日いい練習ができていると感じます。
――次の響波戦をクリアして来年の目標はありますか?
安達 どんどん強い選手と戦っていきたいので、そういう選手を集めて『KNOCK OUT』でトーナメントを開催していただきたいと思います。
プロフィール
安達浩平(あだち・こうへい)
所 属:team AKATSUKI
生年月日:1988年2月4日
出 身:千葉県鎌ケ谷市
戦 績:14戦8勝(2KO)4敗2分
【REBELS.69】小泉竜インタビュー公開!
インタビュー
公開日:2020/11/27
「本気で目立ちたくないんです! そういうキャラ作りじゃなくて!」
12・6『REBELS.69』の「77.0kg契約/BLACKルール/3分3R・延長1R」で吉野友規と対戦する小泉竜。カード発表会見では「目立ちたくない」と言い放って衝撃を呼んでいたが、その真意は……というか(本人の希望もあり)ほぼノー編集でどうぞ!
──今回、『REBELS』初参戦で吉野友規選手と対戦が決まりました。10月末のカード発表会見で顔を合わせましたが、印象はどうでしたか?
小泉 いい人そうだなと思いました。選手としてとかは特に……やっぱり階級も上なんで大きいなというのは感じましたけど。
──小泉選手が184cm、吉野選手が186cmで、身長はほぼ同じですよね。
小泉 僕は70kgとかでの試合が多かったので、今までの相手はだいたい自分より身長が低かったんですよね。だから同じぐらいというのは珍しいです。
──どう対策しますか?
小泉 そうですね、あんまり対策とかやってないんですけど、やりづらそうだなとは思いますね。
──吉野選手についての情報はどれぐらい?
小泉 もともと存じ上げなくて、映像もちょっとは見ました。いつも、研究とか対策とかあまりしないので(笑)。戦績がすごくいいのと、剣道をやられてたというのはちょっと聞きましたね。
──相手の情報とかは気にしない方なんですね。
小泉 はい、あんまり気にしたことはないですね。オーソドックスかサウスポーかと、だいたい身長がどれぐらいかというぐらいで。何にも知らない相手とやったこともあるので。
──そうすると、試合に向けての練習で重点を置いているのは?
小泉 トレーナーに言われたことをやってる感じですね。対策とか試合のプランとかも、別に言われてないんで。「とりあえず練習をちゃんとしろ」と。
──今回、『REBELS』初参戦ですが、『REBELS』に対するイメージは?
小泉 いや、特には……。ウチのジムに良太郎君がいるんで、そのイメージですね。
──では、『REBELS』に上がってこれからどうしていきたいとかは……。
小泉 特にないですね。……メチャクチャつまんないインタビューになっちゃってすみません(笑)。
──気づきました?(笑) では、今回の試合の位置づけというのは……。
小泉 いや、あんまり目立ちたくないんで……。
──会見の時もそう言ってましたよね。
小泉 そうなんですよ。勝ったら誉めてもらえるなあ、負けたら怒られるなあ……というぐらいで(笑)。ホントに目立ちたくないんで。
──そんなに目立ちたくない人が、どうしてプロのリングで戦ってるんですか(笑)。
小泉 うーん……このジムにいると、イエスマンにならざるを得ないんですよ。「おい、試合だぞ!」って言われたら「はい」としか言えないので(笑)。
──なるほど……。それが何年か続いて、11戦やってしまったと。
小泉 はい。だから僕、あんまりコンスタントに試合してないんですよ。11戦してますけど、気持ちはまだアマチュアなので。
──でもチャンピオンですよね?
小泉 そうなんですけどね。だから、記者会見で他の人の発言とか聞いてても、みんなプロ意識高いなあと思って。
──自分もそうなろうとは……?
小泉 いやあ、まあ……目立ちたくないんで。
──でも、勝ちたいという気持ちはあるんですよね?
小泉 勝ちたいのは勝ちたいですよ。やる以上は、それは。勝つための努力はしてます。
──でも相手は5戦5勝4KOという戦績で、勝ったらけっこう注目されると思うんですが。
小泉 こんな近々にプレッシャーかけないでくださいよ!(笑)
──いや、そういうつもりはないんですけど(笑)。
小泉 そうなんですけど、あんまり自分はそういうことは考えたことないですね。これに勝ったらオイシイぞとかは。
──じゃあ試合のモチベーションというと、やっぱりさっき出た「勝ったら誉められる、負けたら怒られる」ということに尽きるわけですか。
小泉 そうですね。あとまあ、みんなサポートしてくれるんで。
──では、ファイターとしての目標とかも特にない?
小泉 そうですねえ、はい……。もういい年なんで、今から何かを狙ってどうこうとかは特にないです。
──今回はどう勝ちたいですか?
小泉 倒しては勝ちたいですね。理想は、早く終わることです。
──早い時間でのKOって、目立つじゃないですか。
小泉 そうですね……。まあ、その後そっとしといてくれれば。
──「勝ったら次に大きいチャンスを」とかも……。
小泉 はい、そういう大きなことも言うつもりはないです。面白みがなくてすみません(笑)。
──いえ、もうそこを押しますんで。
小泉 あ、そこを押すのもやめてください! 「目立ちたくないキャラ」じゃないんですよ。ホントに目立ちたくないので、キャラにされるのも困ります!
──では、本当はインタビューも載せてほしくないぐらい?
小泉 インタビューって聞いて、「断れないんですか?」って言ったら怒られました(笑)。自分のとこは小さーくでいいんで。
──いや、ネットなのでみんな同じスペースなんですよ! では本当に、この会話のまま載せますんで。それならいいですよね?
小泉 キャラではないんで! そこだけ言っておきたいです。ホントに目立ちたくないんで。
──分かりました。では試合、頑張ってください……。
プロフィール
小泉竜(こいずみ・りゅう)
所 属:池袋BLUE DOG GYM
生年月日:1990年10月3日
出 身:東京都練馬区
戦 績:11戦7勝(3KO)3敗1分
タイトル:BFCミドル級チャンピオン