ハチマキ選手 試合直前インタビュー公開!
インタビュー
公開日:2015/07/08
2015年7月12日(日)にディファ有明で行われます「REBELS.37」にて、REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級タイトルマッチ3分5回戦を行います、ハチマキ選手のインタビューを公開させていただきます。
勇気を持って休む時には休んで初防衛戦に臨みます
聞き手:布施鋼治
──今年1月の戴冠から試合間隔が6か月も空きましたね。
ハチマキ 5月に中国で試合の話もあったけどそれがなくなってしまった。
同じ月のJ-NETにも捜してもらったけど、結局相手が決まらなかったんですよ。
──REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者になった直後は主催者から3月の大会参戦を薦められていましたよね。
ハチマキ ハイ。
でも、1月の水落戦に気持ちを入れていたので、それが終わって1か月後というのはちょっと期間が短すぎました。
「4月の方がいい」とリクエストしたけど、大人の事情があったのでしょう。
対戦相手の候補に挙がっていたボーウィーは加藤剛士選手と闘っていました(苦笑)。
──結局、戴冠後の第1戦は初防衛戦となりました。
ハチマキ タイ人と闘ってみたいという気持ちもあったけど、日本人同士で、しかも王者同士の対決だったらお客さんもわかりやすいじゃないですか。
やったら(どちらが強いかという)位置づけがされてしまうのでシビアだとは思うけど、見る方にとってはその方が面白い。
個人的には王者対決なので、統一戦的な定義付けをしています。
──ライト級ではWPMF JAPANとREBELS-MUAYTHAIの王座統一トーナメントがスタートしました。
その流れを歓迎しているファンも多いと思います。
ただ、過去を振り返ってみると、王者対決にはいい思い出がないですよね。
ハチマキ そうですね。
2013年に初めてチャンピオンベルトを腰に巻いた直後、新日本キック協会の石井達也(当時の日本ライト級王者)とやって負けたけど、あまり負けた感じはしなかったんですよ。
やった感触としてやられたという感じはなく、逆に手応えを感じた一戦でした。
確かに最後は攻め込まれたし、アウェーだったのでハッキリと差をつけないと勝てないということはわかっていた。
僕は王座決定トーナメントで優勝してライト級王者になったので、チャンピオンに勝ってベルトを巻いたわけじゃない。
なので、自分には現役王者とやっても普通にやりあえる力があるんだなと思ったんですよ。
──そうだったんですね。
しかし、その後NJKFのリングで当時NJKFライト級王者だった翔センチャイジムにKO負けを喫してしまいます。
ハチマキ あれはショックでしたね。
最初に向かい合った時にはやりづらさを感じていたけど、だんだん慣れてきていけそうだなと思った矢先に一発をもらい、そこから一気に3回ダウンをとられて負けてしまった。
試合後に「いい試合だった」と声をかけられたら、自分が情けなくて仕方なかった。
──自分で自分を責めた?
ハチマキ 僕、わりとすぐ自分を責めちゃう。
自信もないし。
KO負けを久しぶりだったし、なかなか気持ちを切り換えることができなかったですね。
練習していても、ひとりで泣きそうになったりしていました。
──そういう辛い時期を乗り越えることができた?
ハチマキ その時反省したのは練習しまくっていて、すごい疲れがたまっていたんですよ。
体に疲れがたまっていると、心もどんどん落ちていく。
ウエートもスーパーライト級に上げるということで、結構負荷をかけてやっていた。
それで結構心が落ちたんだと思う。
それで休んで体の疲労を回復させたら、気持ちも楽になりました。
──どれだけ自分を追い込んでいたんですか。
最近は疲れていたら、勇気を持って休めるようになった?
ハチマキ そうですね。
最近は結構休むようになりましたね。
練習の予定がある日でも、ちょっとやばいなと思ったら休む。
前はやらなければ強くなれないという気持ちが支配していた。
梅ちゃん(同門の梅野源治)も体が動かないと休む。
それで梅ちゃんにしろ、郷州さんにしろ、結果を出している。
何のためにやっているかといえば、強くなるためであり、結果を出すためなわけで。
──そうですよね。
疲れるためにやっているわけではない。
でも、自分に自信がないと、どうしても「もっとやらないと」と思いがちになる。
ハチマキ 以前、黒田選手と2回目にやった時もオーバーワークがたたって、試合当日も体が重くて大変でした。
アップのミットでタイ人トレーナーが「遅い」「遅い」と嘆いていたくらい。
「試合前にそんなことを言うなよ」と言い返したくなりましたよ、本当に(苦笑)。
案の定、試合が始まっても頭はボ〜ッとしているような感じだった。
あの時は本当にしんどかったですね。
最後まで気持ちを切らさずに闘えたことは良かったけど。
──もう同じ過ちは犯さない?
ハチマキ そうですね。
だから今回も休む時には休むと決めています。
タイトルマッチの時には週5回くらいの練習でいいんじゃないかと思っています。
──初防衛戦の相手はJ-NET王者の鈴木真治選手に決まりました。
ハチマキ (所属する)ゴールデングローブは旧藤原ジムじゃないですか。
小林聡さんや森井洋介選手なんか普通ではできないような試合をしてくる。
──極限状態の中で心身を鍛え上げているというイメージがあります。
ハチマキ ハイハイ。
そういう意味では怖さがある。
──鈴木選手のイメージは?
ハチマキ 会場で会ったら挨拶する程度の関係だけど、いい人そうな人ですよね。
──その通り(笑)。
ハチマキ 真面目そうな印象がある。
──得意技はローキックです。
ハチマキ ヒジで勝っている試合もありますよね。
ただ、最近は相手がどうこうというのはあまり考えないようにしているんですよ。
──それより自己のパフォーマンスを高める方が大事だと。
ハチマキ そうですね。
だいたいこういう動きをしてくるだろうというのは考えるけど、細かい作戦までは立てないようにしています。
前はそれで結構迷ったりしていたので、相手に関しては考えすぎないようにしています。
これも最近のことなんですけど、自分に自信があるとか調子がいいとか悪いとか、相手が強いとかそんなのはどうでもいい。
──最終的には勝つことが全てですからね。
そういえば、今回はなにげに初めて迎える初防衛戦なんですよね。
ハチマキ そうなんですよ。
どの試合も意識は違うけど、初防衛戦ということで気合は入りますね。
──だったら、当然防衛したあとのことも考える?
ハチマキ 考えますね。ちょうどPHOENIXに入って10年目。
自分も29歳になるので、この階級で一番強い選手とやりたい。
いま、国内にひとりWBCムエタイの世界チャンピオンがいるじゃないですか。
──大和哲也選手ですね。
ハチマキ やったらどうなりますかね。
──初防衛に成功してマイクアピールしたい?
ハチマキ フフフッ。
数字としてはもう29歳なのかと思うけど、とくに衰えは感じない。
でも、いつまでもできるものではないということもわかっている。
今回の試合は7月12日。
この日は2009年に僕が初めてライブに行った日なんですよ。
ライブに行けば、自分は頑張ろうと思える。
だったら自分の試合を見た人にも「俺も頑張ろう」と思ってもらいたい。
キックの前売り券はライブと同じで(安い席でも)5,000円とか7,000円するじゃないですか。
いま僕の試合には(作曲家の)梶浦由記さんやKalafinaのライブで仲良くなった人も応援にきてくれる。
僕はライブの価値をわかっているつもり。
僕は派手な試合はできないけど、少しでも応援してくれる人に還元するためにも、気持ちが伝わるような試合がしたいと思っています。
プロフィール
ハチマキ(はちまき)
所 属:PHOENIX
生年月日:1986年06月19日
出 身:埼玉県
身 長:175cm
通算戦績:26戦14勝(2KO)8敗4分