大月晴明選手 インタビュー公開!
インタビュー
公開日:2015/09/07
2015年9月16日(水)に後楽園ホールで行われます「REBELS.38」にて、ヤスユキ選手と対戦いたします、大月晴明選手のインタビューを公開させていただきます。
「負けたら引退ですね」
聞き手:布施鋼治
──昔、出番を待つヤスユキ選手の控室に行って観察していたというエピソードを聞きました。
大月 試合でしか見たことがなかったので、どんなシャドーをしているのか。
どんなタイプの人なのか興味を抱いていたんですよ。
──ほとんどストーカーじゃないですか(笑)。
裏を返せば、それだけヤスユキ選手に注目していたわけですね。
大月 その時は一瞬だけ見てパッと出ちゃう感じだったんですけどね。
気づかれないように、ハイ(微笑)。
──今回のヤスユキ戦は二転三転した末にようやく決定したという話を聞きました。
大月 自分の中では計画通りだったんですけどね。
──大月選手のFacebookを見たら、周囲に何かと気を遣いながら話を進めていた苦労がうかがえます。
大月 向こうに興味を持ってもらわなければ試合はできないので、自分が勝ち続けているかどうかが一番の問題でした。
──それで(14年5月、1年4か月ぶりに)復帰したわけですね。>
実現できると信じていました?
大月 ヤスユキ選手が所属するDropoutがフリーになったという話を聞いた時にチャンスはあるなと思いました。
復帰した時、僕は周囲に「ヤスユキ選手と対戦するために復帰する」と言っています。
ヤスユキ選手の実力だったら、フリーになっても勝ち上がっていくだろうと予想していました。
──案の定、ヤスユキ選手は”ムエタイ都市伝説”としてネームバリューを高めていきました。
もしかしたら、この一戦が大月晴明の総決算になるかもしれない?
大月 負けたら引退ですよね。辞めます。
──エッ!
大月 終わってみないとわからない部分もあるけど、燃え尽きるような試合ができるかどうか。
ここが限界だと思ったら辞めるだろうし、まだちょっとと思ったら続けるかもしれない。
──全ては今回のヤスユキ戦のために。
今年1月のレオナ・ペタス戦も彼の右ストレートがヤスユキ選手のそれに似ているから受けたという話を聞きました。
大月 レオナ選手自体に興味があったというのが一番だけど、それもありましたね。
新人の中ではアイツが一番強いと思っていたから。ちょっと人を狂わすような攻撃力を持っている。
青津戦を見た時に「コイツとはもしかしたら対戦するだろうな」という予感を抱いていました。
───意中の相手と対戦できるということで、モチベーションは高まっていますか?
大月 普通ですね。
ムチャクチャ興奮していてもいい試合はできないので。
もう僕なんか歳だし、もう十何年もキックをやっている。
いまさらカッコつけるところは何もない。
あとは自分のチケットを買ってくれた人たちに責任を果たす。
簡単に心が折れて負けるような試合をしたら失礼じゃないですか。
目一杯自分らしい試合をしようと思っています。
──第三者から見ると、ほとんどいつも自分らしい試合はできていると思いますが。
大月 そんなこともないです。
やっぱりあとから自分の試合を復習したら、「もっとこうしておけば良かった」という反省も出てきますからね。
───先日、大月選手と闘った蘇我英樹選手は「普通に楽しかった」という感想を述べていました。
大月 自分も楽しかったです。
怖い面もあったけど、やり切った感があったので。
──蘇我選手は「わかってはいたけど、(耳のうしろの部分など)普段攻撃されないところを攻撃された。こんな効かせ方もあるのかと勉強になった」とも言っていました。
大月 自分が攻撃しようと思ったら相手はガードするので、カードしないところを狙うしかない。
僕にとってはそれが普通です。
──彼にとってはそれが新鮮だったようです。
精度の高いパンチにラリアットのようなパンチを混ぜるコンビネーションは自分のバリエーションの中にも取り入れたいと言っていました。
大月 そうなんですか。
僕の場合、後頭部というか、ハイキックみたいな感じでパンチを打っているだけなんですけどね。
首に巻き付けるようなイメージで。
レオナもそれが一番効いたと言っていましたね。
──もうひとつ特筆すべきはどこの団体に上がっても、登場するだけで場内を自分の色に染めてしまうことです。
大月 いや、それは自分ではなく、自分のまわりの人たちがやってくれているんだと思います。
まあ、リングに上がってしまえば、自分と相手しかいないわけだし。
──リングに上がってしまえば、どこの団体だろうと関係ない?
大月 まあ、そうですね。
もともと自分はダウンをとったり、KOして勝つ選手じゃないですか。
KOできなかったら、負けにされても仕方ないと思う時もあります。
──今回も倒すことを念頭に闘う?
大月 倒し合いですね。
向こうも倒しにくると思うので。
──綿密な戦略も立てている?
大月 そうですね。
う~ん、どうですかね。
対戦する直前までわからないですけど、もう最後になるなら思い残すことがないように、打ち合ってくれるなら打ち合う。
──これから最後の追い込み?
大月 自分くらいの年齢になると追い込めばいいというわけではないので、考えながらの練習が中心です。
(大道塾吉祥寺支部長の)飯村建一さんとかいろいろな人に協力してもらって、ケガのないように調整したい。
僕はミットをあまりやらない。
スパーとマスばかりです。
僕にとってはそっちの方が効果的なんですよ。
──試合当日はどこに注目してほしい?
大月 いつもと同じでその瞬間瞬間を見逃さないでほしい。
ヤスユキ選手の右ストレートは一撃必殺なので、それをもらって立っている自信はない。
カウンターでもらったら、僕もたぶん町田 光選手みたいに倒れるでしょう。
ただ、自分のフックも一撃必殺なので、どっちが先に当たるかという感じになるんじゃないですかね。
ヤスユキ選手の場合、ハイキックもあるので、それも気をつけないといけない。
──ありがとうございました。
○プロフィール
大月晴明(おおつき はるあき)
所 属:キック スターズ マスクマン
生年月日:1973年12月30日
出 身:京都府
身 長:165cm
タイトル:元 Krush-60kg級王者、元WPKC世界ムエタイライト級王者、元全日本ライト級王者
通算戦績:42戦36勝(25KO)6敗