ノーディン・エル・オトマニ選手 インタビュー公開!
インタビュー
公開日:2016/2/28
2016年3月9日(水)に後楽園ホールで行われます「REBELS.41」にて、REBELSvsオランダ 4対4で対戦いたしますオトマニジムの会長 ノーディン・エル・オトマニのインタビューを公開させていただきます。
レベルスとオランダのオトマニジムが3月9日に対抗戦を行う。オランダからの参戦選手たちは全員が未来日若手Aクラス選手ばかりである。自分で育てた生え抜きの若手軍団を率いて日本へ乗り込んでくるオトマニ会長に訊いた。
聞き手:遠藤文康
―― 単身中国からの日本入りするそうですね?
オトマニ 昨年K-1の55kgトーナメントに出たソフィアン(エラージ)に中国からオファーが届いたのでね。中国はいまキック大発展の真っ最中だよ。ソフィアンは僕が育てた選手なのでセコンドには必ず僕が付くようにしている。それに中国側責任者とも直接会って今後の話もしたいし。3月5日の試合を終えてソフィアンはオランダに戻るけど僕は日本入りしてメンバーと合流。日本の大会を終えれば僕だけモスクワ経由でオランダに戻る。オランダ→中国→日本→ロシアと移動するモロッコアラブ人なんてあまりいない筈だからモスクワで怪しがられて尋問されるかもしれないな(笑)。
―― 大いに有りえますね(二人爆笑)
―― オトマニ会長個人のことは日本ではあまり知られていません。
オトマニ 僕は16歳でキックAクラスになった。才能があったのさ(笑)。ほら、アンディ・サワーも16歳でAクラスになった筈だよ。96年からAクラスで戦って04年にケガで引退した。24歳だった。戦績は96戦93勝2敗1分。世界タイトルは7本取った。60kg~67kgのWPKL世界タイトル5本。12ラウンド制のWKAタイトルも取った。最後はタイでWBCタイトル。相手はワンチャノイという有名選手だった。僕が勝った。その後にカカトを骨折して引退した。
―― 96年頃と言えばギルバート・バレンティーニとラモン・デッカーのライト級試合のちょうど全盛期を終えた後ですね。
オトマニ そう。彼らのあとのオランダライト級は僕が背負っていた。ライト級では僕がオランダトップだった。当時はK-1ヘビー級が世界を席捲していてオランダでは軽量級がぜんぜん目立たなくなって行った。みんながヘビー級を目指していた。僕も徐々にウエイトが自然に増えて02年ごろからは67~70kgだった。そんな時に日本でK-1MAXというのが始まりアルバート・クラウスがオランダ代表になってそのまま優勝してしまった。僕もオランダ予選に出たかったけど全く声がかからなかった。だから優勝したクラウスに対戦を求めたけど受けてくれなかった。アンディはSBで優勝して03年にK-1に出た。僕はアンディにも対戦を求めたけれど受けてくれなかった。なんていうか僕にとっては人生の巡り合わせというかタイミングが良くなかったな。オランダでずっとトップの結果を出しタイでも勝利し、さあ僕もいよいよ日本を目指すぞと思ったらケガ。それでキャリアが終了してしまった(苦笑)。
―― 全盛期の姿を日本で見たかったですね。その後はコーチですね?
オトマニ 近所の公共スペースを借りてキックを教えた。小学生に一から全てを教えた。大人になったその子たちが今回REBELSとの対抗戦に出る。ヤンチャ坊主ばかりだったからキック指導に限らず礼儀や挨拶など日常生活の基本を一から教えてきた。そういうことを親も期待して僕に子どもを預けたわけでね。彼らも大人になって人生の進路相談も受けている。僕自身の先生だったムシド会長のヘルプでもジムで子どもを担当した。昨年自分のジムをオープンするとそれらが全員集まってきた。新たな子どもたちもたくさん入門している。どんどん才能ある選手が出るよ。
―― 今回のプロジェクトはどう思いましたか?
オトマニ 最初に聞いたときはとてもいいアイデアだと思った。喜んでオファーを受けたよ。もちろん全勝狙いさ。日菜太は日本のビッグネームで、T-98はムエタイスタイルで、寒川はキャリア豊富なベテラン。不可思はドウリャより背が高い。他の3人は全員こっちの背が高い。でもドウリャはこれまでいつも自分より背が高い選手ばかりだったので慣れている。対抗戦というアイデアは僕のスポーツマニ大会でも採用したい。秋口に開催するのでそこへ日本人選手を呼びたい。鋭意計画中さ。
―― 今回の参戦選手の寸評を一言で。
オトマニ ハミシャはコンプリートファイター。いつも冷静で心が淡々としている。ユセフはテクニカルファイター。ドウリャはキックファイター。蹴りが大好きでずっと蹴っている。ムーヤーは己を知るファイターだ。アドバンテージである高身長を有効利用した攻撃を仕掛ける。ヒザやリーチのあるパンチ。
―― REBELSの山口代表に何か?
オトマニ ありがたいオファーをありがとうございます。でも遠慮なく全勝狙いで行きますから。激戦をするよう選手に厳しく言ってあります。激しい戦いをしましょう。
○プロフィール
ノーディン・エル・オトマニ
モロッコ系オランダ人
オトマニジム会長、キックイベント『スポーツマニ』主宰
1979年8月5日生まれ(36歳)
ライト級~スーパーウエルター級で活躍
04年ケガにより引退。生涯戦績96戦93勝2敗1分
WPKL世界タイトル5階級、WKA世界タイトル、WBC世界タイトル