渡辺理想選手 インタビュー公開!

インタビュー

公開日:2016/3/28

2016年4月3日(日)にディファ有明で行われます「REBELS.42」にてNOBU BRAVELY選手と対戦いたします、渡辺理想選手のインタビューを公開させていただきます。

「ムエタイに挑戦しないと、立ち技最強は語れない」

聞き手:布施鋼治


── 空手はいつから?

渡辺 小4からです。

── だったら格闘技歴は長いですね。

渡辺 ホント、20年以上やっていますね。

── 今年に入ってからはREBELSでムエタイに挑戦していますけど、いまはキャリアのまとめに入っている感じですか?

渡辺 ハイ、現役の集大成のつもりでやっています。

── なぜ最後にムエタイに挑戦しようと思ったのですか?

渡辺 ムエタイには立ち技としてヒジも含め全部あるじゃないですか。やっぱりそれをやることで得るものは大きいと思いました。キックに挑戦するようになってから極真会館の城北支部の選手たちにコーチしているんですけど、還元できるものが多くてチャンピオンをたくさん出すことができました。そういう意味でもムエタイに挑戦しないと立ち技最強は語れない。

── そもそも極真空手には1964年2月に極真の黒崎健時さん、中村忠さん、藤平昭雄さんがルンピニースタジアムでムエタイに挑戦したという夢とロマンが詰まった歴史がありますよね。極真を語るうえでもムエタイを外すことはできない。

渡辺 タイで練習したこともあります。初めて行ったのは2012年8月だったかな? チュワタナジムで10日間くらい練習させてもらいました。実際にやってみて『こんなに違うものなのか』とショックを受けました。試合になったら首相撲を得意とするタイプでなくても、練習では普通に首相撲が強い。

── 昨今のMMAファイターではないけど、全てできるうえで何かが突出している。ムエタイでも、そういうタイプが多いですよね。

渡辺 そうそう。チュワタナジムではタノムサクレックという微妙にマイナーな選手が僕のことを気に入ってくれて、自分の時間を割いて相手をしてくれたんですよ。それが本当に勉強になりました。1時間くらいレンチュン(タイ式のマススパー)で遊んでくれたこともあります。そこで掴んだ感覚は大きな収穫になりました。

── メモもとったりしました?

渡辺 メモをとることはなかったです。自分は勘がいい方だと思うので、その時の感覚で取り入れるようにしていました。

── そうしたエッセンスも取り入れてムエタイに挑戦しているわけですね。

渡辺 空手の動きだけだとムエタイでもある程度までは行ける自信はあったけど、それだけだと(相手が一線級になると)厳しくなると思います。そこを越えるためには本当にムエタイを覚えないとダメだと悟ったんですよ。だから最初はチグハグで強さ的には少し落ちるかもしれないけど、ちゃんとムエタイを身につけたい。その基本を取り入れることができたら、空手の後ろ回し蹴りも試合で活かせると思うんですよ。

── それは今回のNOBU BRAVELY戦でも十分活かせる?

渡辺 急に違うテンポで打てますからね。これまで高いレベルでのキックボクシングができているという自信があるので、今回も空手の技は入ると思います。

── 今年1月、ムエタイルールでのデビュー戦となった前田将貴戦では1R開始早々に後ろ回し蹴りを決める場面もありました。今回も回転系の蹴りを期待していい?

渡辺 僕は別に大技という感覚ではなく、ジャブと同じ感覚で後ろ回し蹴りを出せる。実際左ストレートでダウンを奪った回数と後ろ回しでそうした回数は同じなんですよ。

── 後ろ回し蹴りはジャブと一緒!それはすごいエピソードですね。

渡辺 そのレベルまで持っていくためには、ものすごい努力をしましたけどね。

── だったら今年1月不可思から幻のダウンを奪ったNOBUの左フックと渡辺選手の後ろ回しが交錯する場面も期待できそう?

渡辺 そうですね。たぶん向こうはパンチだけではなく、ヒジも狙ってくるんじゃないですかね。

── 自分でヒジを使う可能性は?

渡辺 前回前田選手をグラつかせたヒジ打ちは良かったんですよ。でもジャブをちゃんと効かせて左ストレートを打ったあと倒せるなと思って出したヒジ打ちは大振りになってしまった。自分でも『遅っ』と思い、ハイを出しました(その結果、相手陣営のタオル投入を呼び込み、TKO勝ち)。あの時は自分のヒジの切れのなさにビックリしたので、今回は結構ヒジをやりこんできました。

── 今回はどのへんに注目してもらいたい?

渡辺 やっぱり蹴りですね。蹴り一発でお客さんを納得させるというか、蹴った時に「あっ、コイツはホンモノだな」と思わせたい。そういう人はあまりいないと思うけど、僕はそういうのを持っていると思うので蹴りは見てほしい。蹴りだけではなく、パンチにも自信はありますけどね。あとは相手の攻撃をもらわないようにして、バックヒジで倒します。勝ってメインに出場するハチマキ選手の試合をじっくり見させてもらいます。

── 当面のターゲットは現REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者のハチマキ選手ですからね。「待ってろ、ハチマキ!」という感じ?

渡辺 向こうも意識していると思う。年齢的(32歳)にも僕に残された時間は少ない。6月にタイトルマッチを組んでもらって、8月のビッグマッチでタイ人と闘うことができたら最高です。

○プロフィール
渡辺 理想(わたなべ ゆうと)
所  属:極真会館
生年月日:1983年12月28日生まれ(32歳)
出  身:青森県八戸市
身  長:170cm
タイトル:極真会館第24回全日本ウエイト制空手道選手権大会中量級準優勝
通算戦績:24戦14勝(6KO)10敗

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