インタビュー

公開日：2016/7/31

2016年8月7日(日)に大田区総合体育館で行われます「REBELS.45」にてPetchtanong Banchamek選手と対戦いたします、大和哲也選手のインタビューを公開させていただきます。

「僕の知名度は日本よりアメリカの方が高いんじゃないですかね。」

聞き手：布施鋼治



──　4月17日には地元名古屋で開催されたRIZINで山口裕人選手を1RKOで下しました。反響は？

大和　地元ということもあって応援団もたくさん来てくれました。結果的にKOすることができたので反響はありましたね。

──　その一方で試合順は前座、しかも入場ゲートなしの入場だったことを残念がる声もあります。

大和　今回に限っていえばRIZINという総合の大会でしたからね。お客さんを入れるということを考えて、名古屋から3選手も出ていたのでわからなくもないなと思いました。代わりに内容で見せてやろうという気持ちはありました。実際キックの試合が一番面白かったんじゃないですかね。

──　RIZINの前にイギリスに遠征してリアム・ハリソンとも闘っています。

大和　僕は勝ったと思ったんですけどね。判定はまさかの負けで、勝敗が告げられた瞬間にはエ～ッという言葉しか出てこなかったですね。同じ基準で考えたら、ラスベガスでやったケビン・ロス戦も負けていると思うし、リアムの試合はNJKFの会長に聞いても「5Rに2回こかしたら、普通のムエタイルールなら逆転のはず」と指摘されました。帰路、飛行場までのバスはサニー・ダルベックと一緒だったんですよ。ダルベックはハリソンと同門のジョーダン・ワトソンと闘った。彼は「リアムもワトソンもバッドカンパニー／ヨカッオジムの選手だから、判定になったら勝てないよ」とこぼしていました。終わってから言うなよと思いましたけどね（苦笑）。試合後、ハリソンは再戦しようと言っていたし、イギリス人のヨッカオのプロモーターは「日本で大会をやりたい」と言っていたのでどうなるか。

──　今回のKunlun Fightもそうだけど、海外のプロモーターは日本で興行を開催したがる傾向がありますね。

大和　そうですね。僕もヨッカオファイトチームに入ったこと（2年間のスポンサー契約）で、日本でもネットワークを広げるきっかけになっていると思います。イギリスでの悔しさを忘れないようにリアンと闘った時のブローブを練習で使っていますよ。

──　その流れでいうと、今回Kunlun Fightで闘うことは自然の流れだった？

大和　まあそうですね。急に決まった話ですけど、いま中国では格闘技が盛り上がっているじゃないですか。Kunlun Fightは日本でも知名度を高めたいと思っているので、いいチャンスかなと思いますね。

──　ルールはヒジなしになりました。

大和　僕は基本ヒジありで試合をしたいけど、RIZINでの山口裕人戦もヒジなしだったんですよ。だから最近はヒジなしの練習ばかりなので、ヒジを打ちたくてウズウズしています。ただ、その前にファイターとしてしっかり評価される大会に出たい。それに平行しながらムエタイルールもやっていければいいのかな、と。

──　Kunlun Fightは中国だけではなく、世界80％の国々をカバーして放送していると聞きます。名前を売るには絶好のチャンスです。

大和　65kg級も盛り上がっているじゃないですか。今回のトーナメントには（7月31日に中国で行なわれるもう一方のブロックに）マサロ・グランダーやアブデラ・エズビリも出る。顔もわからない選手もいるけど、その中で自分をビシッとアピールしたい。モチベーションは高いので、優勝を狙っています。

──　ペッタノン・バンチャメークの印象は？

大和　Youtubeで試合映像を見ました。サウスポーで結構なファイターだなと思いました。でも、今回しっかり勝って9月に中国で行なわれる決勝トーナメントに備えたい。8月、9月と連チャンになるので、今回いかに無傷で勝つかが勝負のカギを握っていると思います。

──　タイ人選手との相性は？

大和　ヒジなしでタイ人と闘うのは今回が初めて。いつもヒジがあるから、ガンガン前には行けない。でも、今回はヒジがないのでどうなふうになるのか。ちょっと楽しみですね。

──　VSタイ人の勝率は？

大和　半々くらいだと思います。だから相手にもよるというか、その時の自分の調子にもよるんじゃないですかね。最近は相手が強いから負けるというより、結局勝ち負けは全部自己責任だと思っている。相手が強かろうが弱かろうが、自分が対応できたら勝てる。相手がどうこうより、自分がダメだったら負けなのかなと。だから相性はあまり気にしたことがないですね。

──　ところで、大和選手はアメリカでも何度も闘っていますよね。

大和　ハイ。アメリカには2009年以降6回も行っていますね。そのうち一回は直前に試合が流れてしまったんですけど。（現地で65kg級No.1の）ケビン・ロスも（2回）倒していますからね。日本よりアメリカの方が知名度はあるんじゃないですか（微笑）。いまベラトールもキックの試合をやっているじゃないですか。タイミングがあったら出たいと思いますね。そういう意味で今回Kunlun Fightのトーナメントでの優勝は世界に向けて自分をアピールするために必要不可欠だと思います。

──　どんなところに注目してほしい？

大和　わかりにくいかもしれないけど、間合いの駆け引きを制したうえでの一撃ですかね。この間のRIZINでは「やっぱり大和は強いな」というのをアピールできたと思うので、今回はそれを東京でもやってみたい。あと会見でも言ったんですけど、いまの自分は「FIGHT FOR PEACE」をうたっているので、今回も試合を通して日中友好をアピールしていきたい。そして中国でも名前を売ってバンバン呼んでもらいたい。子供がふたりいるので頑張らないと(微笑)。

○プロフィール
大和哲也
所　　属：大和ジム
生年月日：1987年12月10日生まれ（28歳）
出　　身：愛知県知多市
身　　長：171cm
タイトル：LION FIGHT 世界王者
通算戦績：51戦36勝（26KO）14敗1分