小笠原瑛作選手 インタビュー公開!

インタビュー

公開日:2016/10/12

2016年10月23日(日)にディファ有明で行われます「REBELS.46」にて工藤政英選手と対戦いたします、小笠原瑛作選手のインタビューを公開させていただきます。

「ボディを狙われるのは仕方ない。わかっているからボディを強くするしかない」



―― 7月30日の村越優汰戦が終わってから2カ月の歳月が流れました。

小笠原 まだショックを引きずっていますね。ああいう負け方をすると、ジムでタイ人の先生にずっとネチネチと小言を浴びせかけられています。久々にこの感じが来たなという感じですね。

── その感触は同じようにボディで倒されたカンボジアでの一戦(13年12月20日 VSホン・チュンヘン)以来?

小笠原 そうですね。カンボジアで負けて以来、負けていなかったですからね。ただ、今回周囲から言われ続けたおかげで、ちょっと開き直っている部分はありますね。ここでグジュグシュしていても仕方ない。「こんな時もあるよな」と考えるようにしています。

── 人の記憶は都合がいいもので、都合の悪いことから忘れていく傾向があります。

小笠原 本当にそうですよね。勝ち続けている時は「俺は最強だな」と胸を張っていて、悪い記憶なんて一切ない。

── さきほど練習をちょっと見せてもらいましたけど、本当にボディに特化した補強をやっていましたね。

小笠原 もう泣きそうでしたよ。これだけ自分の弱い部分をこれだけきつくやらされているわけですからね。T-98さんに思い切り腹を殴られたりもしています。それでうずくまったら、みんなに「この間の試合と一緒じゃないか」と笑われる。もう耐えるしかないですね。ボクシングトレーナーの髙橋直人さんからは「結果がどうであれ、あの時のお前は弱かったんだから、また頑張ればいい」と言われました。悔しい思いは毎日しているけど、気持ちは切り替わってきていると思います。

── 振り返りたくないかもしれないけど、村越戦の敗因は?

小笠原 自分から行き過ぎてしまったというのはありますね。最近の試合は行ったら倒せていた。下の階級でやっていた時にはそれで攻めきれた部分があったけど、今回はそれが通用しなかったのかなと思いましたね。

── 厳しい現実を突きつけられた、と。

小笠原 自分の体も大きくなっていたので、「自分の強さとパワーで行ったら倒せる」という過信があった。最近は序盤で倒せたり、ダウンを奪う試合が多かっただけに、なんか頭もそういう感じになっていた。でも、内藤戦後、タイ人トレーナーのウーさんからは「いまのままではダメ。ちょっと闘い方を変えよう」と進言されていたんですよ。

── 行く時は行って、見る時は見ろ、と。

小笠原 そうですね。そういうのが内藤戦の前からありました。でも内藤戦も勝ったので、自分としては「別にそこまで考えなくてもいいや」と思って練習を続けてしまったんですよ。そうしたら案の定、村越戦ではこんな結果になってしまった。相手を見ていなかったから、なおさらそう思いますね。

── 見る時は見るというふうにはなれなかった?

小笠原 (ボソっと)なれなかったです。

── 気持ちが逸った?

小笠原 倒してナンボ、天心戦まで早く行かなくちゃというのもあったし、下馬評では「村越にはすぐ勝つだろう」という声も聞こえてきたし。そこまで村越戦に対する執着心もなかったですからね。

── 実際に闘った村越選手は?

小笠原 強いというか、すごく自分の動きを見られている感じがしました。自分が行こうとしているところをずっと見られていた。結果、距離も合わなかった。ローキックも当たってはいるけど、重い一打ではなかった。キレていない。途中で「これだったら、何発蹴っても効かない」という思いもありました。

── 村越選手の三日月蹴りは?

小笠原 効きましたね。最初からちょくちょく前蹴りみたいに突き刺さっていたのが微妙に効いていた。2R以降は、前蹴りと三日月の中間みたいなのがグサッと刺さってきた。

── 2R以降、ウッと来た場面もありました。

小笠原 ありましたね。ダウンを奪われたあとは倒すしかないなと思いました。それでパンチを出したけど、なんかいつものように重さも感じなかった。ファーストコンタクトでローでもバチンと芯のある攻撃を打てていれば違っていたんでしょうけど、蹴り始めから宙に浮いてしまっている感じだった。

── 55㎏級の壁を感じた?

小笠原 意識はしたくないけど、あるんですかね。(バンタム級との差)1.5㎏は重いわけではないけど、軽いクラスだったら、その差は大きいんですかね。村越戦のやる前に経験した55㎏級は内藤戦と岡田戦のみ。そこには慣れていなかったのかもしれないですね。

── プロの世界は非情。今後、対戦相手は小笠原選手のボディを集中攻撃してくることが予想されます。

小笠原 そうですね。ボディを狙われるのは仕方ない。わかっているからボディを強くするしかない。

── 今回対戦する工藤選手もボディ打ちを得意とするタイプです。

小笠原 どうなんですかね。そこを警戒しすぎてもというのもあるし、工藤選手にやられなくても、ジムでこれだけやられているので(苦笑)。これだけボディを鍛えられてもボディで倒されたら、もうまわりの皆さんに「すいません」と詫びるしかない。

── ボディが強くなっている実感はある?

小笠原 これだけ叩かれているわけだから、意地でもボディでは倒れるわけにはいかない。

── どんな試合をイメージする?

小笠原 前回KO負けしたことで自分の株は暴落している。今回対戦する工藤選手は(REBELS55kg王者として)名前もあるので、しっかり勝って、「あっ、小笠原は変わったな」という試合を見せたい。

── 工藤選手の攻撃は変則的で決してうまくはないけど、倒せる一撃を持っています。

小笠原 自分としてはきれいに闘う選手の方が得意といえば得意。でも、最近はタイミングで倒す練習もしているので、工藤選手みたいなタイプもしっかり倒せたら自分の成長を計れることができるんじゃないかと思います。向こうのヘタウマをしっかり見て、しっかり完封したい。理想としては勢いで倒すのではなく、1Rはしっかり見て、3Rくらいで倒せたら理想ですね。

○プロフィール
小笠原 瑛作
所  属:クロスポイント吉祥寺
生年月日:1995年9月11日生まれ(21歳)
出  身:東京都
身  長:170cm
通算戦績:24戦21勝(9KO)3敗



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