イリアス・エナッシ選手 インタビュー公開!
インタビュー
公開日:2016/11/10
2016年11月30日(水)に後楽園ホールで行われます「REBELS.47」にて町田光選手と対戦いたします、イリアス・エナッシ選手のインタビューを公開させていただきます。
―― REBELS出場が決まった時の心境を?
エナッシ もの凄く嬉しかったです。今は練習に集中しています。自分が日々強くなっていることを実感しています。REBELSからのオファーに心から感謝します。REBELSは何と言っていますか?
―― エンフュージョンでのKO防衛を見てREBELSは起用を決めました。あなたは2年前に日本で負けているので関係者は下に見ているようです。しかしREBELSは直感的に今回のマッチメイクを決めたようです。大変あなたに期待していると思います。
エナッシ 嬉しいです。2年前の僕とは違います。誓います。決して失望させるような戦いはしません。2年前の関係者が見たならビックリするような僕を見せます。間違いなくグッドファイターであることを証明します。グッドグッドグッドファイターであることを披露します。あの当時に僕を笑った人たちを驚かせる試合をします!
―― 対戦相手の町田選手をどう思いますか?
エナッシ 強い選手だと聞いていますが僕自身は映像なので詳しくはチェックしていません。町田選手がREBELS王者でありムエタイルールでも王者であることは聞いています。素晴らしい選手だと思います。とてもいい試合になるでしょう。町田選手の分析はオトマニ会長やサイドコーチがやります。それがオトマニジムのやり方です。僕はコーチたちの指示に従うだけです。
―― 町田選手はサムライのイメージです。刀を持つようなイメージです。
エナッシ サムライは刀が必要ですがキックに刀は使いませんから大丈夫です(笑)
―― どんな試合にしたいですか?
エナッシ そこはやはり激しい試合にしたいです。失望させるような戦いはしません。これだけは約束します。期待してください。自分の試合をします。自分の流れを作ります。自分のスタイルを押し通しますよ。
―― REBELSのイメージは?
エナッシ 素晴らしい団体だと思います。ハミシャやレドアンたちから聞いています。大会映像を見ても素晴らしいなあと思っていました。場内のファンも熱いし。
―― REBELSには出たかったですか?
エナッシ もちろんです!だって練習仲間がみんな参戦しているわけですから。そして帰国するとみんなが、REBELSは良かった、って言うわけです。僕もみんなと出たいと思っていました。でも難しいだろうなとも思っていました。日本では試合に負けたら呼ばれないと聞いていました。だから今回のオファーは本当にとても嬉しいです。
―― キックを始めた理由は?
エナッシ 最初はサッカーでした。キックボクサーってみんなサッカーから始まる選手が多いですよ。僕もサッカー小僧でした。ある日のことですが従兄弟が『お前と同じ11歳でお前より喧嘩が強い奴がジムにいるよ』と何だか面白くないことを言われて、それでジムを訪問して初めてキック体験をしました。すると『イリアス。お前なかなかキックセンスがいいじゃないか』と従兄弟に誉められて、やっぱり子どもだから誉められると素直に嬉しくて、あっという間にキックにのめりこみました。親から、サッカーかキックかどちらか一つにするように、と言われ迷わずキックに決めました。まあ、結果的に従兄弟の挑発に上手いこと乗せられてキックを始めたという感じですね(笑)
―― どこでキックを始めたのですか?
エナッシ 従兄弟がやっているラディジムです。オトマニ会長と出会ってからオトマニジムに移りました。
―― デビュー戦は?
エナッシ 11歳のときです。11歳でキックを始めてその年にジュニア戦デビューして判定勝利しました。
―― 今の試合体重は?
エナッシ 57.5kgから62kgです。63kgはきついです。マックス62kgでミニマム57.5kgの範囲でやれます。
―― 好きな選手はいますか?誰と戦いたいですか?
エナッシ 好きとか嫌いとかそういうのはいないです。軽量級はタイ人に強いのがゴロゴロいます。僕は年齢的に新世代ですから同じ階級での同世代選手たちはこれから名を上げるために必死になっていますね。僕はエンフュージョン王者になった(16年5月)ことで頭一つ抜け出た位置にいると思います。これから同世代の激しい潰しあいが続きますね。なので、マッチメイクされた相手と戦うだけです。でも……できれば森井選手とはいつか再戦したいですね。
―― 森井選手の名前が出たのでさっそく嫌なことを訊きます。2年前の初日本遠征では何とも呆気ない敗北でした。大会関係者からはかなり厳しい評価でした。
エナッシ 一方的な負け方をしたのですから仕方ないですよね。負けた選手にチャンスは来ないと聞いていましたので僕にはもう日本行きは厳しいだろうと思いました。だから再び日本から声がかかる価値を自分に築き上げようと決意してこの2年を戦いました。森井選手に負けたあの敗北だけが僕の戦績での唯一の負けです。25戦のキャリアで負けはあの試合だけです。言い訳になりそうですが……2年前のあの時は全てが急でした。オファーが試合の1週間前でした。調整もへったくれもないし対戦相手が何者なのか対策も立てられず日本へ飛びました。でも気持ちはかなり舞い上がっていました。トルコでの乗換えが長時間となりトータルで丸一日のフライトでした。それでウエイト調整が上手くできず計量が相当きつかったです。当然コンディションは良くないですし本番では会場の雰囲気に呑まれてしまい頭が真っ白になり気が付けば控え室でした。18歳の苦い思い出です(苦笑)。
―― でも急なオファーをよく受けましたね。
エナッシ 日本からのオファーを断れる選手がいると思いますか?日本人との出会いすらないキック選手は世界中にたくさんいますよ。夢の日本行きですよ。ケガでもしてない限り日本からのオファーを断れる選手なんて誰もいないと思いますよ。もしいるとすれば、もう何度も日本遠征してすっかり日本慣れした選手ぐらいですよ。世界中の選手が日本から声がかかることを夢にしていますよ。
―― しかし、いとも簡単に負けてしまった。
エナッシ あの敗北で僕は全てが変わりました。別人になれました。エンフュージョン王者になれたのもあの時の敗北からの結果です。
―― 今のあなたは当時のあなたに何とアドバイスしますか?
エナッシ (笑)考えるな。前に出ろ。ガンガン行け。
―― 森井選手に何か?
エナッシ いつか再戦できたらいいですね。一回勝った相手との再戦なんて気が進まないと思いますがあの時のボーイはずいぶんと変わりましたよ。あのボーイが今では世界王者の一人です。これも森井さん、すべてあなたのおかげです、ありがとう(笑み)。
―― 二度目の日本。参戦団体は違いますが自分のどこを見てもらいたい?
エナッシ リアクションやスピードそれに動体視力ですね。パンチも蹴りもともにそのスピーディさを見て欲しいです。
―― セールスポイントと言えば?
エナッシ 僕は人を楽しませることが好きです。僕の試合を見て楽しんでください。
○プロフィール
イリアス・エナッシ(Ilias Ennahachi)
所 属:オトマニジム
生年月日:1996年05月15日
出 身:オランダ・ユトレヒト市
身 長:175cm
試合体重:62kg~57.5kg
戦 績:25戦24勝1敗10KO
タイトル:エンフュージョン世界王者-60kg (16年5月就任、10月KO防衛)
スタイル:オーソドックス