【REBELS.67】久保政哉インタビュー公開!
インタビュー
公開日:2020/11/4
取材 安村発「左ミドル対決?蹴りの質が全然違うところを見せますよ」
――リングネームを付ける風潮のPHOENIX GYMに所属していた久保選手ですが、“久保政哉”というのもリングネームですか?
「そうですね、本名は佐伯政哉と言います(笑)。僕には、なかなかいいリングネームが見つかりませんでした。
母親が再婚して久保になり、僕は養子縁組ではないので旧姓の佐伯のままなんです。母の再婚相手の方がめちゃくちゃ良い人で、僕が小学生の頃に学校に行けず引きこもりになっていた時期に格闘技を勧めてくれて、人生の軌道修正をしてくれた恩があります。それで前会長のスネーク加藤(加藤督朗)さんが感動のエピソードにまとめようと、『じゃあ久保政哉でいいじゃん?』と言い、そうなりました(笑)。
海外では久保というのが発音しやすいらしく、KUBO! KUBO!とよく呼ばれて覚えられていたのでこのリングネームで良かったとは思います」
――久保選手はヨーロッパ最大のキックボクシング団体『GLORY(グローリー)』と専属選手契約を結んでおり、今回日本での試合は2018年6月のREBELSでの潘隆成戦以来となります。海外で試合経験を積んできたことは自信になっていますか?
「海外で応援してくれる人がいない中で試合をしてきたことは自信になっていますが、後楽園ホールだろうが新宿FACEだろうが、どの場所であっても僕がやるべきことは変わらず、常にベストなものを表現しようと練習しているので上がるリングは特に関係ありません。
僕はGLORYの選手だと見られていると思いますが、だからといって強い選手に勝っているわけではなく(苦笑)、久々に日本で試合をするので、以前に見た時よりも強くなっているのを見てもらいたいですね。
海外で試合をすること自体が好きなのですが、日本で試合をすることの良いところは調整がしやすいことと、日本食でリカバリーできて計量が終わったら自分の家で休めることだと思います。でも、海外で試合をすると楽しいことも多いです。海外の色んなところを周っている中で、GLORY専属選手やスタッフと何度も顔を合わせると同じチームのような感覚になって、スタッフからは『よく遠いところまで来たね』とリスペクトされながら迎えてくれるので、いい試合をしないといけないなと気合いが入ります。
フランスでの試合が僕は多かったのですが、中国にも行き、そこで何度かKO勝ちが続いた時は試合会場で現地のファンからよく声を掛けられたことがありました。今はコロナの影響で海外での試合は厳しいので、日本でいっぱい試合をして、落ち着いたらまた海外で試合をしたいと思います」
――今はフリーで活動されているということですが、練習環境を教えて下さい。
「以前に所属していたPHOENIX GYMのオーナーのご厚意で、PHOENIXで練習させてもらったり、大沢文也選手のJoker GYMに出稽古をしたり、フィジカルトレーニングの場所を借りてやっています。あと、僕は典型的なサウスポースタイルなのでスパーリングパートナーで呼ばれることが多く、そこで練習させてもらうことも多いですね」
――対戦する与座選手の印象をお願いします。
「身体が頑丈そうで、空手の世界チャンピオンなので左ミドルがめちゃくちゃ重たそうなイメージがあります。彼はキックの経験が少なくパンチの反応がまだ遅いのですが、若い選手なので試合を重ねるごとに慣れてくると思うのでそこは油断せずに行こうかなと。
あと、僕の34戦と比べて与座選手はまだキックは8戦しかしていませんが、実戦の感覚でいうと空手の試合で場数を相当踏んでいるでしょうし、キックではベテランの選手がデビュー数戦の選手に負けることがあるのでキャリアの差は特に関係ないと思います。
警戒しているのは空手特有の胴回し回転蹴りなどの技で、それを不意にもらってポカしなければいいなと。ファンからは左ミドル対決と見られているようですが、蹴りの質が全然違うところを見せられたらと思います。もらったら効くとは思いますが、そうさせないようにするのことも作戦の一つではあります」
――与座戦をクリアーしたら、REBELSでの目標はありますか?
「僕はまだタイトルを持っていないのでベルトは欲しいなと。とりあえずREBELS、KNOCK OUTに継続参戦してそこを狙える位置までいきたいと思います。
現KNOCK OUTチャンピオンの西岡蓮太選手はめちゃくちゃ巧いなと思っていて、僕が勝ち続けて機運が高まればやることになるのではないでしょうか。REBELSだとチャンピオンはバズーカ巧樹選手ですよね。与座君が僕との試合は次期挑戦者決定戦だと言われてますが、僕が久々にREBELSのリングで勝って王座に挑戦するとなっても他の選手的には面白くないので、与座君が勝てばそれでいいのではないでしょうか(笑)。僕はちゃんと順番待ちをしてチャンスが来ればやるというぐらいです。
あとREBELSで目立つ選手といえば、鈴木千裕選手。彼とは噛み合う試合になると思うので興味はありますね」
――来年の目標も教えて下さい。
「まずは日本で、経験を積む意味でたくさん試合をしたいですね。あと、過去にタイで2度練習したギャットムーガーオジムの環境が良くて、ジムの方に気に入ってもらえて『1年ぐらい面倒を見てやるよ』と言われたことがあるんですよ。そこで練習しながら試合にもたくさん出させてもらえるという話だったので僕もタイに行くつもりでしたけど、コロナでその話が止まっています。コロナが落ち着いたら、タイで1年ぐらい練習したいと思っています」