【REBELS.67】与座優貴インタビュー公開!

インタビュー

公開日:2020/11/4

取材 安村発

「この9カ月間で凄く成長できた。あの黒星が最後になるような進化ぶりを次で見せる」



――今年2月KNOCK OUTの無法島 GRAND PRIX 1回戦での鈴木千裕戦以来の試合が決まりました。

「そこから何試合か決まっていたのですが、結局コロナで流れてしまって9カ月も試合間隔が空いてしまいました。橋本道場のほかの選手は次々と試合をやっていて焦りはありませんでしたが、自分も早く試合をしたいという気持ちはありました」

――その鈴木戦では8戦目にして初敗北でしたが、今試合を振り返っていかがですか。

「負けた後は人生終わったなと思ってしまうぐらい落ち込んでしまいましたね。
あの試合はいい意味でも悪い意味でも蹴りに頼りすぎていた部分がありましたし、常に相手の攻撃をもらう可能性のある距離感での試合だったのでそこで大きくスタミナをロスしてダウンを取られてしまいました。
今の自分の状態から鈴木戦を振り返ると、逆によくあのレベルで7連勝していたなと。
今はパンチをもらわない距離、もっと楽に戦える位置を確認できていて、あの時と今の動きを比べると一発の攻撃力、パンチに対する反応、基礎的な部分も全然違っています。この試合をしていない9カ月間で凄く成長ができている実感があるので、あの黒星が最後になるような進化ぶりを次で見せたいと思います。
今は誰が相手でもやっちゃうんじゃないだろうかという自信がありますね。前までは悪い意味で空手の延長という形で戦ってましたが、今は完全にキックボクシングができている手応えはあります。周りからは蹴りがあるからこそのパンチ、パンチができるようになったからこそ今までの蹴りが入るようになったと言われるようになりました」

――空手で世界大会優勝、キック転向後に無敗でいたことに慢心はありませんでした?

「多少あったかと思います。同じ極真出身でキックでも活躍している選手はいますが、空手の実績でいえば僕の方が勝っています。でも、現状を比べると空手で世界一を取ったにもかかわらず今の位置にいることに凄く焦りを感じていますし、そういう選手にジェラシーを強く感じているので逆に今は燃えています。今の練習通りの動きができればトントン拍子で名前が上がっていくと思うのでこれからが凄く楽しみです。
僕よりも目立っている選手は気にくわないですし、もう自分が一番目立ってやろうという気持ちです。同じ競技をやっているからには違う階級の選手であっても自分が一番目立ちたいという気持ちは空手時代から強いので、同じ道場の先輩、後輩たちにも負けたくはありません」

――今回対戦する久保選手についてはどのような印象がありますか?

「元々9月のKNOCK OUTで対戦予定だったので、その時に対策を立てていました。あれから自分のスタイルに変化があり、どういう戦いになるかは軽くイメージするだけで具体的な対策はしていません。
久保選手は世界的に大きな団体のGLORYで活躍していた選手なので実力者だと思いますし、キック関係者からも評価が高く、自分はそういう強い選手と戦えることが凄く楽しみです。久保選手に勝てば、僕がGLORYと契約する権利はあるんじゃないかとは勝手に思ってます(笑)。
最近、自分は『トップになる、チャンピオンになる』と周りに公言するようにしていて、そうしているからなのか戦うことに対して恐怖心がなくなり、楽しみが増えました」

――今回、左ミドル対決とも言われてますが、蹴り勝つ自信は?

「自分のことを蹴りの選手と言われるのはあまりいいとは思っておらず、自分は全部ができる選手になりたいと思っています。相手が蹴りの選手ということなので、蹴りでも勝った上に全局面で上回りたいと思います」

――ちなみに今格闘技界ではカーフキックが流行ってますが、どう思いますか?

「受けたら純粋に痛いですよね。ミドルキックの得意な選手には有効な技だと思うので、自分もそういう蹴りを使っていきたいと思います。
空手時代はカーフキックという技の名前があるとは知らなかったのですが、自分はよくふくらはぎを蹴る試合をしていて、デカい相手と戦うことが多かったので効かせるというよりは重心を崩すという意味で使っていましたね。ここ最近主流の技になっていて、あ~あれはカーフキックというのかと(笑)」

――最先端の技術をすでに使われていたんですね。SNSでは、ご自身も出ていたKNOCK OUT無法島GPの優勝者・西岡連太選手の名前を出していましたが、今後は西岡選手との対戦につながる戦いになりますか?

「西岡選手と戦いたいというよりは、自分はチャンピオンになるために、今のチャンピオンである西岡選手とやりたいと思います。2月に負けている鈴木千裕選手とはリベンジの機会があれば、いずれしたいなと。あの時の強さでああいう内容だったので、今やれば普通に勝てる相手です。僕がチャンピオンになってその防衛戦の相手に鈴木選手を指名しても面白いかなと思います。
とにかく現時点で強いやつと戦っていきたい。自分よりも強い選手をどんどん倒していく野望があり、そういう発言権を得るためにもベルトが必要なのでここで負けるわけにはいきません」




プロフィール
与座優貴(よざ・ゆうき)
所  属:橋本道場
生年月日:1997年12月20日、22歳
出  身:茨城県土浦市
身   長:170cm
戦  績:8戦7勝(3KO)1敗

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