REBELS.63×KNOCK OUT一夜明け会見選手コメント
一夜明け会見
公開日:2019/10/10
取材・撮影 茂田浩司10月7日、東京・トレーニングキャンプ吉祥寺にて「REBELS.63×KNOCK OUT」の一夜明け会見がおこなわれた。
出席者は、スアレック・ルークカムイ(スタージス新宿)、栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)、UMA(K&K BOXING CLUB)、大谷翔司(スクランブル渋谷)、与座優貴(橋本道場)の5名。なお、REBELS-MUAYTHAIスーパーウェルター級王者に輝いた吉田英司(クロスポイント吉祥寺)は右足の骨折により欠席。
出席者のコメントは以下の通り。
スアレック・ルークカムイ
「ボクのパンチで雅がコンタクトを落としたのが見えて『もっとパンチが見えなくなる』って安心しました(笑)」
「昨日の試合、ありがとうございました。スタートした時、相手が打ち合いにこないから安心して、でも避けてても疲れるなーって(笑)。2ラウンド終わった時、こっちのパンチで(雅が)コンタクトを落としたから『もっとパンチは見えない』と思って、もっと安心しました。3ラウンドからは我慢しないで前に行って」
――雅選手の1、2回のアウトボクシングは?
「最初は避けてるからカウンター(のチャンス)はまだ見えなかったです。3ラウンドになったら相手が疲れてて、ボクより先に疲れたなって。それで前に行かないと、と」
――「雅のコンタクトが外れた」?
「最初、右が外れて、左が外れて『もう見えないだろうな』って。(練習で)僕がパンチを打つとヨシノ(吉野友規)もコンタクトが外れるんですけど(笑)、昨日は2つとも外れるのが見えました。それで2ラウンド終わって(江口)会長に『向こうは2つともコンタクト落としました。次は大丈夫です』って」
――雅選手のカーフキックで足が腫れましたよね?
「貰ったことがないのでびっくりしました。効いていないけど、ちょっと腫れてるな、って。今は押すと痛いです。右の拳も痛めてしまって、家に帰って拳と足を冷やしました」
――1、2ラウンドは雅選手のペースでしたよね?
「でもコンタクトが外れて『もっと見えないな』と思ったら自信が(笑)。相手がハアハアって(息が上がってて)『ボクより疲れてる』って。4ラウンドからはもっと前に行かないと、楽しい、自分のスタイルじゃない。勝っても、倒さないとお客さんを喜ばせられないので前に行きました」
――雅選手は、セコンドに梅野選手が付いたり「スアレック対策」をしてきたことは感じました?
「教えられても、一緒のことはできないです。前に郷州(征宣)と試合した時も、避けて避けて、入ってパンチ貰うと逃げて。『また同じ試合してる』と。だから自分も安心です。ヒジは心配したけど、向こうも(自分の)ヒジを心配してこないから、それも安心でした」
――実際に試合して、雅選手の蹴りや首相撲の印象は?
「まだ軽いですね。首相撲に来てもムエタイスタイルで『技がこう来る』が分かるので安心でした。蹴りも当てるだけの蹴りで、軽いです。5ラウンド終わった時もボクはまだスタミナがあって、安心でした」
――ライト級で王座を獲得した感想は?
「ライト級も強い相手があまりいないので、大丈夫かな、と心配です(笑)。これからは大きい大会も出たいですね」
――シュートボクシングで笠原弘希選手が「スアレック選手と戦いたい」と表明しました。
「選手は誰か分からないです。試合が決まればYouTubeで調べますけど。『戦いたい』と言われたことも知らないです。日本語のニュースは読めないので(笑)」
――前は「森井洋介とやりたい」と言ってましたね。
「最近、試合してないですよね? 全然見ないから辞めるのかな、と思って」
――11月に岡山の大会に出場しますね。
「ライト級はスアレックが一番なので、誰とでもやります(ニッコリ)」
栗秋祥梧
「2ラウンドで倒された後にヒザを貰って頭が飛んで。相手の恐怖心と、会長の恐怖心しか覚えてないです」
「昨日は、そんなにっていうか、ほとんど試合内容は覚えてなくて。KOできなかった悔しさがあって。今もずっと心残りがあって、試合映像とかも見てなくて。ずっと、ほとんど寝れずに悔やんでた感じですね」
――記憶は飛んでしまった?
「2ラウンドに倒された後にヒザを貰った時に。頭が飛んじゃって、一瞬『ダウンしたのかな?』と。それからは恐怖心が自分の中にありました」
――序盤にいい左フックを当てた辺りも覚えてない?
「最初だけかな。左フックを当てて、いけるな、と思った感覚は覚えてます。それからは覚えてなくて。試合終わって、ドクターの人が駆けつけてくれて『顔色が悪いけど大丈夫か?』と。それも分からなくて『大丈夫です』って」
――3ラウンド終了時、コーナーで山口代表に怒られて、リング上で正座したことは?
「覚えてますね。会長がセコンド側に来たところの恐怖と、対戦相手の恐怖しか覚えてないですね。で、最後に日菜太さんが止めてて。そこで『殴られるんじゃないか』と(山口代表「子供じゃないんだから殴るわけないよ」)。あと、3ラウンド始まる時にターちゃん(トレーナー)の『なんでもいいから出せ!』っていう言葉で何とかしのいだ感じですかね。3ラウンドはグラグラしてて力も入らなかったんで、これは(頭が)揺れたなって。試合でもパンチとかほとんど貰ったことがなかったので。でも海外じゃ当たり前だと思うし、スペインで試合した時も同じことされて。その時は当たらなかったですけど、海外はそんな感じなんだなって」
――今回は期待も高かったが。
「継続する力とKOする力を混ぜたかったんですけど、3ラウンドにKOできなかったのが悔いが残ってて。何もできない試合だったなって。UMAさんがKOした後に、もう1発、派手なKOしたかったのにそれができなかったな、と。僕も『REBELSを背負う』と大口を叩いてきて、あんな結果になったので何も言えない。今は考えたいな、って」
――最後に、ファンへのメッセージを。
「試合内容は悪かったんですけど、無事に勝つことができてその面ではよかったなって思うんですけど。もっと派手なKOだったり、派手な技を取り入れて会場をもっともっと湧かせていきたいんで、応援よろしくお願いします」
UMA
「ベルトを獲ったのに『次にREBELSに呼ばれるのは1年後』だけは避けたいんで(苦笑)。外回りは外回りでしっかりやるんで、もっとREBELSに呼ばれたいです」
「昨日の試合はしっかり倒すことができたんで。ここで勝ったか負けたか分からない優勢勝ちしても自分の中で何の意味もないんで。倒してベルトを巻けて、自分的によかったし、自分を応援してくれる人たちが喜んでくれたのが一番嬉しかったです」
――試合前の会見で「元REBELS王者」とずっと言われてきたのが嫌だった、と。
「そうなんです。だいぶいじられて、一回『元』ってあだ名になりかけて(苦笑)。パンフレットとかにREBELSの名前はずっと付くじゃないですか。『元REBELS65kg級王者』って。その言葉も嫌だし『終わった選手』、なんか中古みたいで。まだ終わってないっていうのを見せたかったです」
――「元REBELS王者」だった期間はどのくらいですか?
「5年ぐらいです。王者だった期間も半年ぐらいで一瞬だったんで。今回はベルトにふさわしい選手になりたいと思ってて、そのスタートとしてはよかったです」
――CAZ選手のどこを警戒してた?
「動画はほとんど見てなくて、細かいところは研究してないです。サウスポーなんで、先輩の日菜太さんとがっちりやれば絶対に負けないだろう、と。あとは相手うんぬんじゃなくて、自分の力を3分3ラウンドで出し切ることを目標に俺はやってるんで」
――最初はバックブローでダウンを奪って。
「クロスポイントでスパーリングをする機会が増えたので、バックブローは自然に、流れの中で出ました。それはこっちに来てよかったなっていう。オープニングで右の飛び膝をやって、当たったんで『いけるな』って。でもサウスポーはまだ10戦もやってないんで、まだまだこれからの課題です」
――東京に来て、クロスポイントで練習するようになって環境が一変した。
「北海道にいる時はビッグミットとかサンドバッグとか、ひたすら自分の攻めだけで追い込む練習で、スパーリングは試合と試合の間に1、2回しかできなくて。だから試合する時に自分の動きにムラがあったんですけど、クロスポイントで毎日手合わせできるんでそこはプラスになるし。緊張も、前は泣きそうなぐらいしてたんですけど、気持ちのムラも少しずつ小さくなって、やっぱりいい環境だな、っていうか。プラスになってるなって思ってます、はい」
――しかし試合は他団体ばかりで、なかなかREBELSには出られなかった。
「対抗戦という感じの、上手い誤魔化され方を(苦笑)。気づくと、REBELSに出れるのは年に1回ぐらいなんですけど、今回を機にもっとREBELSに呼ばれるように。外回りは外回りで頑張ってやるんで、REBELSを宣伝しながら自分も上がっていけるように、1戦1戦やっていきたいです」
――今回は北海道からも応援団が来られたそうですね。
「40人ぐらい来てくれました。5年前に負けて悔しい思いをした時も、一人も『もう応援しないよ』という人はいなくてずっと応援してくれて。北海道からの飛行機代も宿泊費も掛かるし、仕事を休んだり。自分もやってきたんで、簡単なことじゃないと分かってるんで。もう自分だけの試合じゃないんで、だからこそ分かりやすい試合で勝ちたかったし、今日も『気持ちよく帰れるよ』ってLINEが来て。正直、ベルトを獲った喜びよりも、ずっと応援してくれた人が喜んでくれたのが嬉しいです。
自分は日菜太さんに憧れてて、日菜太さんにセコンド付いて貰って、こうやって勝てたのも嬉しかったです」
――これからの目標は?
「自分のステップアップになるような試合をしていきたいです。REBELSは今回が初代67kg級で、これまであまり67kgの試合が組まれてなくて。これでベルト獲って、また『次の試合は1年後』とかになりそうな気もするんで(苦笑)。それはどうしても避けたいんで、自分はまたREBELSで熱い試合を見せたいんで、REBELSで強い相手とやりたいんで。その際には熱い試合を自分は見せたいんで、応援をよろしくお願いします」
山口代表「ちなみに、UMA選手の次は12月のムエタイオープン出場が決まってます(笑)」
UMA「ええー! でも、頑張ります!」
大谷翔司
「これからは黒髪坊主の『リンダリンダ』で万人受けを狙います」
「内容的にはあまり満足できる内容ではなかったんですけど、とりあえず勝ててほっとしてます。津橋選手は懐が深いのは想定してたんですけど、対面して、今まで自分より懐の深い相手とやったことがなかったんですけど、思ったより懐が深くて。前半てこずって、ペースを掴めなくて、練習通りに動けなかったのが課題です。あとはインパクトが残せなかったので、次は『大谷、強いな』と思わせるような試合がしたいと思います」
――序盤は明らかに津橋選手のペース。
「練習ではローでペースを掴んで、パンチを当てていこうと思ってたんですけど。ローを空振りして焦る展開になってしまって。(増田博正)会長に『2、3ラウンドで倒さないと負けるよ』と言われて、ヒジが怖かったんですけど、ガンガン前に出て。そうしたら津橋選手も疲れてきたのが分かって、自分は元気になっちゃいました(笑)。勝ったのは嬉しいですけど、自分の弱さにも気づかされたんで、もっと練習して、早く上に行けるように練習を頑張りたいです」
――メインイベントのスアレック対雅は見てました?
「はい。雅選手とは一回やってて、結構押されて、最終的に脱臼して負けちゃって。その時よりも何倍も強くなってて。スアレック選手も相変わらず強くて。二人とも嫉妬するぐらい強いなって思いましたね。早くそのレベルに追いついて、早くREBELSのベルトを巻きたいです」
――そのためには、具体的に何が必要だと思いますか?
「練習通りの動きを試合で出来るようにするのが一番の課題だな、って感じました。普段から頭を使って、練習から頭を使って、試合でも頭を使った戦い方ができるようにしたいです。今はフィジカルでガツガツ行って、という感じなんで。もっと上を目指すにはフィジカルだけではそこが知れてるというか、全体的にスキルアップしていきたいです」
――金髪をやめ、入場曲も変えて、黒髪坊主に路線変更?
「はい、これからは黒髪坊主の『リンダリンダ』でいきます。コアなところを攻めるのは止めて、この方が万人受けするかな、と思って(笑)」
与座優貴
「まだ一流選手と差はあるんで、進化していきたい。負けなしで、10戦10勝を目指します」
「昨日は、初めて試合中にカットして、もうテンパって、頭が真っ白になってしまったんですけど。中盤まではミドル中心の自分のペースで出来てたんですけど。最後はテレカ選手も盛り返してきて、近距離の展開になったんですけど、自分も課題のパンチでダウンを奪うことができたんで。そこに関してはよかったな、と思います。でもまだパンチのバリエーション等は、まだまだだな、と課題を感じました」
――キックの威力が前よりも増した印象でした。
「試合の1週間前に、橋本師範にミドルのフォームのアドバイスをいただきまして。自分はいつも試合では距離が近くて、体を倒しながらミドルを蹴ってたんですけど、タイ人選手のような軸足を回して蹴るフォームをやってみたら、と。試合まで短いスパンだったんですけど、それをやってみたら結構スパーでも『威力が伝わるな』と。試合でもめっちゃ蹴りが走ってて『橋本師範すごいな』って思いました」
――試合後、テレカ選手の腕が折れてたと聞きましたが、蹴ってて分かりました?
「いや、腹が効いたのは分かったんですけど、顔にも出ないですし、逆にこっちが『効いてるのかな?』と思ったんですけど。試合終わって、今、自分の足がめっちゃ痛いんですけど、こんなに痛いんだから相手も痛いよなって感じです」
――パンチでダウンを奪った感触は?
「まだ試合だと力んでしまったんで、もう少し、まだまだ改善点はあるなと思ったんですけど。その中でも初めてパンチでダウンを奪えたんで、コツというか距離感とか色々分かったことはあったんで。それはいい経験になりましたね」
――これでデビュー半年で6戦6勝。
「昨日、初めてドクターチェックが入った時は『これで5勝1敗だ』とめっちゃよぎっちゃったんですけど(苦笑)、無事勝てたんで、このままどんどんハイペースで試合していきたいな、と思いますね」
――カットはパンチでした?
「飛び込みのフックだと思うんですけど、試合後に3針縫って、めっちゃ怖かったです」
――橋本道場恒例の、縫う時はセコンドに手を握って貰うという儀式があったわけですが(笑)それは誰に?
「(橋本)悟さんに。心強かったです、安心しました(笑)」
――63kgが今後盛り上がっていきそうですが、今後については。
「うーん、自分が今どの位置にいるか、正直、未知数なんですが。これから相手選手のレベルも上がっていくと思うんで、昨日は運良くパンチでダウンを取れましたけど、今後は自分がやられるかもしれないし。そういった面ではまだまだ課題だらけなんで。1つ1つクリアして、自分の階級のトップ選手たちに勝てるように頑張りたいです」
――現在、大学4年生。来年3月の卒業までにベルトを、という気持ちは?
「そうですね。早いに越したことはないと思うんで、そういう気持ちも無くはないですけど。来た試合の話を1戦1戦クリアしていけばそういう話も来ると思うので。今はこのまま負けなしで、10戦10勝が目標ですね」
――REBELSでは63kg王者が丹羽圭介選手ですね。
「丹羽選手はKNOCK OUTでの大月(晴明)選手との試合も見てて、今後はこういう選手とやっていくのかな、と思って見てて、近いうちにやっていくことになると思うんですけど。今やったら、正直、勝てるかどうか分からないですけど、試合を経験していってこのまま順調に自分が進化していけば全然勝てると思います」
――先輩の橋本悟選手をKOした鈴木千裕については?
「悟さんとやる前に、自分が前に対戦した選手とやっていて、ツイッターで自分とやりたいと言って貰ってて。その時から意識していたんで。まさか悟さんとやると思ってなくて、悟さんが負けてしまって、前よりも自分がカタキを取るじゃないですけど、そういう気持ちはあります。今、一番自分の階級で強いなというか、勢いもあるし、意識してるのは鈴木選手ですね、はい」
――最後に、ファンへのメッセージを。
「まだまだ一流選手と差はあるなと自覚してるので、早くそういう選手と戦って勝てるよう、日々練習に励みたいと思ってますので、今後とも応援よろしくお願いいたします、押忍」