【REBELS 〜New Year Festival〜】会見レポート
レポート
公開日:2020/12/15
2021年1月11日(月・祝)東京・新宿FACEで開催される「『創世のタイガ』&『無法島』PRESENTS REBELS ~New Year Festival~」の記者会見が行われた。
今大会では『KNOCK OUT』&『REBELS』2020年・年間表彰式が行われ、全4試合も実施。その第一弾対戦カードが発表され、小笠原瑛作、小笠原裕典、炎出丸のクロスポイント吉祥寺トップ3選手が西の地方から参戦する選手を迎え撃つこととなった(残り1試合は後日発表)。
なお、小笠原瑛作と小笠原裕典は、11月8日のREBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント準決勝を勝ち上がり、来年2月か3月に開催予定の決勝戦での対戦が決定していたが、兄弟対決に複雑な心境だった裕典は辞退。これを受けて決勝戦は、準決勝で裕典と対戦したKING強介(team fightbull)と瑛作で争われるのか、「現在協議中」とアナウンスされた。
■55.5kg契約 REDルール(ヒジ有効)3分3R・延長1R
小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)vs松岡宏宜(闘神塾)
会見に出席した瑛作は「前回の試合が終わってケガがなかったので12月6日の大会に出たいとアピールしましたが、こんな時期で出場したいという選手がいっぱいいることで12月は試合が組めないということでした。トーナメント決勝は来年3月あたりということで、試合間隔が4カ月も空いてしまうのは嫌なので、わがままを言って今回表彰式の中で試合を組んでもらいました。2021年『REBELS』のスタートダッシュを僕が豪快に走り出したい」と意気込みを語った。
兄弟対決がなくなったことに関しては「格闘技の試合は一発のヒジで目が見えなくなるなど選手生活が終わってしまうこともあるので、そういう意味ではお兄ちゃんが階級を上げてくれて良かった」とホッとした様子。
今回の相手、松岡は18戦12勝(7KO)6敗の戦績をもつ23歳の前KOSスーパーフライ級王者。主催者を通して松岡のコメント「『REBELS』初参戦で、エースの小笠原瑛作選手と試合をさせてもらえて光栄です。思い出作りで戦うつもりはありません。小笠原選手の弱い顎を撃ち抜きに行きますので、番狂わせに期待してください」が読み上げれると、瑛作は「顎が弱いのは確かなのですが(苦笑)、打ち抜かせない」と余裕を見せる。
松岡の印象については「1試合だけ映像を見たらパンチは強いのかなという印象でしたが、倒せます。顎を打ち抜くのは俺の方」とニヤリ。
「新宿FACEの会場で試合をするのは久々です。アマチュア時代にプロの興行で試合を組んでもらえたことがあり、プロを目指すきっかけになった会場でもあります。今回、僕のために開催された大会みたいなところもあるので、絶対にお客さんを後悔させない試合をしたい。僕は25歳になってキャリアを積み重ねていき、追われる立場になりましたが、守る気持ちだけでなく、攻めたい気持ちも出てきています。地方の選手であろうと格下であろうと僕が攻めていく姿勢を見せて、『REBELS』を引っ張っていって大きくしていきます」と力強く意気込みを語る。
そして、来年の目標については「55.5kgのベルトを獲ることでさらに発言が出てきます。自分よりも格上の選手とやれるのは限られてきますし、僕は追われる試合もあると思うのでインパクトある試合をして発言権を得て、団体の看板を背負って名前のある選手と団体の壁を越えて対決したい」とした。
また、しつこく再戦を要求している壱・センチャイジムについては「本当に僕のことが好きなんだなと(笑)。壱選手が僕が勝っている選手に勝ってきたら、僕も逃げずにやりたい」と受けて立つ構えを見せた。
■57.0kg契約 BLACKルール(ヒジ禁止)3分3R・延長1R
小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺)vs大脇武(GET OVER)
瑛作との兄弟対決を辞退し、今大会からフェザー級に階級を上げBLACKルールに転向することとなった裕典は「『兄弟対決は見たくない』『決まったんだからやれよ』と色んな声がある中で凄く難しい決断でした。残り限られた現役生活の中で、一戦のために葛藤を抱えながら数カ月間を過ごすことはできないですし、中途半端な物しか見せられないと思って決勝戦辞退を申し入れました」と兄弟対決を回避した理由を語る。
階級変更とルール転向に関しては「ここ最近、連敗もあったりして負けることが怖くなっていました。試合ではリスクを追わずに勝ちに行かずに、負けない戦いをしていたことに自分で気づいていました。自分がどんな選手になりたいかを今一度考えた時に、そんな楽に戦って勝ちを取りにいく選手ではないだろうと。僕はヒジ打ちは得意ですが、あえてそれを封印したBLACKルールでもう一つ上のレベルに行くために新しいルールにチャレンジしたいと思いました。新しく変わった小笠原裕典を見に来てほしい」とコメント。
その裕典と対戦する大脇は16戦12勝(7KO)4敗の戦績を持ち、これまでにDBSフェザー級、RKAフェザー級タイトルを獲得している21歳。現在、WBCムエタイ日本フェザー級では7位にランク入りしている。
主催者を通して大脇は「今まで地方や海外を中心に戦ってきて、やっとキックのど真ん中で自分の実力を試すチャンスを頂きました。名のある選手と戦ってみたかったので、今回は本当に自分の名前を売れるチャンスだと思います。絶対にぶっ倒す!」とコメントしており、それが会見場で読み上げられた。
大脇についての印象を聞かれた裕典は「結構パンチが強い」と評価しつつも、「“絶対にぶっ倒す”と言っているが、僕は逆に迎え撃って僕が倒したい。1つ上のレベルにいくためにもちょうどいい相手」とした。
階級アップの手応えについては「実戦的な練習を増やしていて、まだまだですけど残り1カ月あるので時間はまだ十分あるのかな」とこれから対応していきたいという。
同階級の気になる選手について聞かれると「特にいないのですが、57.0kgだと龍聖選手は凄く活きのいい選手がいますけど、彼は強い選手とやっていないのに生意気なので黙らせたい」と現在6戦6勝(6KO)の龍聖との対戦に興味を示した。
この発言を見た龍聖から今後SNSで挑発コメントが出ることは間違いないが、裕典は「僕は言い合いは興味ないので(笑)。言いたいことは全然言ってもらってもいいです。そもそも僕はツイッターをやっていないので、僕には届きません。インスタで直接DM下さい」とした。
■55.5kg契約 REDルール(ヒジ有効)3分3R・延長1R
炎出丸(クロスポイント吉祥寺)vs横野洋(キックボクシングジム3K)
『REBELS』初参戦となる横野は前DEEP KICK57.5kg王者のタイトル獲得歴があり、13戦(4KO)5敗2分の戦績を持つ。Krushで活躍していた近藤大成が今年立ち上げたキックボクシングジム所属選手で、近藤より「REDルールで戦わせたい選手がいる」と『REBELS』にアプローチがあったとことで今大会への参戦が決定した。
今回68戦目となる炎出丸は「新年早々に出場できることを凄く光栄に思います。僕は『REBELS』に参戦していて団体に対しての想いは人一倍強く、初参戦の選手に対して門番となり『REBELS』の凄さをしっかり見せ付けて叩き潰したい」と意気込みを語る。
対戦する横野の印象については「まだ映像は見ていないのですが、これから見てしっかり研究して倒したい」とコメント。
前戦となった10月のREBELS新宿FACE大会(vs大川一貴)ではBLACKルール(ヒジ禁止)だった炎出丸だが、「BLACK、REDルール関係ないと思っています。僕はREDルールメインにやってきていますが、気持ちはお客さんを意識して魅せる試合して、REDルールの面白さを見せたい」とルールに関係なく盛り上がる試合をしたいという。
横野からのコメント「ヒジありの世界に踏み込みます。あと1カ月、詰め込んで頑張ります」が主催者から読み上げられると、「僕とやったらヒジあるルールの怖さが試合後にわかると思います。ヒジにこだわっているわけではないのですが、僕は長くやっていて状況に応じて技を使っていくので、こんなのあるの? と思わせたい」とベテランならではの技を見せていきたいとした。
最後に「僕はモチベ―ションが低下した時期もありましたが、『REBELS』の体制が変わって高いモチベーションになりました。しっかり『REBELS』内でいい試合を見せて、自分ができる限り『REBELS』を大きくしていきたい」とREBELS愛を語った。
■『KNOCK OUT』&『REBELS』2020年・年間表彰式
今大会を特別協賛することになった漫画『創世のタイガ』と『無法島』の作者である森恒二氏が出席。大会内で2020年の年間表彰式が実施され、『KNOCK OUT』と『REBELS』での試合を対象にMVP、ベストバウト、その他各賞が用意されることとなった。
各賞の選考は、ファン投票を行った上でその結果を参考にし、最終的に森氏とREBELS実行委員会で協議し決定となる。
会見に出席した森氏は現段階での選考について「まだ戦績の整理ができていない状況です。2月に無法島GPで優勝した西岡蓮太選手は頭1つ抜けていましたが、その後『REBELS』『KNOCK OUT』に出ていないので混迷している状態です。皆さんの意見を聞きながら決定していきたい」という。
賞金総額は300万円となるが、「この選手にも出した方がいいという選手がいたら賞金を追加で投入するかもしれない」とのこと。
来年以降の年間表彰式の定期開催については「漫画家は机の上で地味な作業をするのですが、選手たちの凄い試合を見ることでエネルギーをもらえたり、私のモチベーションも凄く上がります。広告宣伝にもなりますし、1年を振り返って『あの試合がこうだった』『ここであの選手はあそこで勝っていたらMVPだったのに』とかを考えたりして、年間を通して皆さんと楽しんでいきたいので今後もやっていきたい」としている。
■UMA発表引退会見
2014年7月にREBELS65kg級王座を、19年10月にREBELS67kg王座を獲得しているUMA(K&K BOXING CLUB)が網膜剥離のために引退することとなった。
会見に出席したUMAは「目のケガにより引退することを決めました。復活するのを楽しみにしていたファンには申し訳ない気持ちです。試合をしたかったのですが、左目が思った以上にもろくなっていて、これ以上衝撃を受けると日常生活に係わると医者に言われてしまい、ここ2~3年(格闘技を)頑張るのと、今後の数十年生きるために目が必要になることを天秤にかけた時に怖い気持ちが出てしまい、引退することを決めました」と引退を決意した経緯を説明。
重症になった原因については「去年4試合やってほとんど1Rで倒せたので試合で負ったものではなく、クロスポイント吉祥寺の練習でなったのかなと。自分は地元・北海道にいた時は試合の間に2、3回ぐらいしかスパーをしたことがありません。ここのスパーリングは厳しい内容で強い選手が多く、自分も気持ちを込めてガンガン行ったことでダメージが蓄積したのかな」と苦笑い。
42戦のキャリアの中で一番印象深い試合を聞かれると、「いつかは忘れたのですが、22~23歳の時に辞めようと思った時期があり、『REBELS』初登場の時(2013年4月14日『REBELS.15』)に呼ばれて中澤(純)選手との試合が組まれ、噛ませ犬だと思われましたが奇跡的に勝っちゃいました。その次にトップ中のトップの健太選手とやって負けたけどいい試合ができて、ここで辞めるのはもったいないと。もうちょっとやっていこうとここまで来れたので『REBELS』初参戦の試合が印象深いです」と答えた。
今後については「突然起こったことで何も考えていないのですが、キックを通して色んな人と出会ったので相談しながら考えていきたい。格闘技からは離れないで札幌に今後は普及していきたい気持ちもありますし、今ラーメン屋のバイトも楽しいのでそっちもいいかなと思っていて、これからやりたいことを探していきたい」とした。
改めて、未確認動物の呼称でもあるUMA(ユーマ)のリングネームについて聞かれると、「本名が(松井)裕馬なのでそこから取ったのですが、北海道から出てくる選手がなかなかいない中、得体のしれないイメージでありつつ、東京の選手をぶっ倒すという意味でこのリングネームを付けました。覚えてくれる人が多かったのでこの名前に変えて良かったと思いました」という。
最後に「もっとやっていくつもりでしたが、引退することになりました。元々ここまでやるつもりはなかったのですが、『REBELS』に出場させてもらってファンや周りの方が応援してくれたからここまでできました。ちょうど今年でプロ10年目。周りの人に感謝をしたいと思います。ありがとうございました」とメッセージを送った。
なお、2月28日のREBELS後楽園大会で引退記念セレモニーを行うことが決定した。